算木 wikipedia|無料辞書
算木(さんぎ)または
算籌(さんちゅう)とは
中国数学や
和算で用いられた計算用具である。縦または横に置くことで数を表した。算木に基づく算木数字も使われた。
◆ 歴史
中国では紀元前から算木が使われていた。
1954年、
湖南省長沙の左家公山 15 号
楚墓で、
戦国時代の算木が四十数本発掘された
。文献の記録はさらに古く、
老子には「善く数える者は籌策(ちゅうさく)を用いず」とある
[老子: 善數者不用籌策。]。
13世紀に
そろばんが使われるようになるまで、算木で計算を行った。算木はそろばんと異なり高次の
代数方程式を解くことができたが、中国ではそろばんの普及により解法が失われた。
江戸時代の日本の数学者はそろばんと並んで算木を用い、数学の発展に貢献した。
◆ 算木の使用
算木は長さ 3〜14
cm の木製または竹製の細長い直方体で、縦または横に並べて数を表し、配列を動かすことで
四則演算、
開平、
開立などの計算をした。1 から 5 まではその数だけ算木を並べ、6 以上は異なる向きの 1 本で 5 を表した。
アラビア数字のように左を上位として横に並べることで数を示す。隣の桁と間違えないよう、桁によって算木の向きを変え、縦式によって奇数桁(一・百・万…の位)を、横式によって偶数桁(十・千…の位)を示した。
孫子算経には「一は縦、十は横、百は立ち、千は倒れる」とある
[http://zh.wikisource.org/wiki/%E5%AD%AB%E5%AD%90%E7%AE%97%E7%B6%93 孫子算經: 先識其位,一從十?,百立千僵,千十相望,萬百相當。]。
日本では
算盤(さんばん)と呼ばれる格子を書いた布の上で算木を使い、主に縦式だけを用いた。
算木は 2 色に着色され、
赤の算木は
正の数を、
黒の算木は
負の数を表した。
0 はその場所に算木を置かず空けておくことで示し、後に
碁石を置いて明示するようになった。
九章算術には、「(引き算の時)同符号は引き、異符号は加える。正を無入から引いて負とし、負を無入から引いて正とする」とある
[http://zh.wikisource.org/wiki/%E4%B9%9D%E7%AB%A0%E7%AE%97%E8%A1%93 正負術曰: 同名相除,異名相益,正無入負之,負無入正之。其異名相除,同名相益,正無入正之,負無入負之。]。この「無入」とは 0 のことである。これから、0 と正負の計算を理解していたことが分かる。