県域放送 wikipedia|無料辞書
県域放送(けんいきほうそう)は、
日本に於ける
放送の区分の一つである。
◆ 概説
放送法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第10号)別表第一号(注)十三において「
一の
都道府県の区域又は
二の
県の各区域を併せた区域における需要にこたえるための放送」と定義している。この定義により、いわゆる都域放送、道域放送、府域放送及び府県域放送も県域放送となる。
◆ 県域放送が生まれた理由
・ テレビ放送開始初期、全国展開を目指していた
日本テレビが進出することで系列の
読売新聞も進出しシェアを奪われることを恐れた地方新聞が対抗策として自らの営業区域である県域での放送局設置に熱心だったため。
・
田中角栄の「一県一波政策」により、県ごとにテレビ周波数が割り当てられたため。
◆ 県域放送の是非
◇ 現状維持・規制強化の立場から
(総務省や民放側は)
・県域放送は地域に密着した放送をするのに必要不可欠である。
・首都圏の情報がそのまま地方の人に伝わる事によって、
東京一極集中や
過疎化を悪化しかねない。
等と主張
◇ 規制緩和の立場・その他から
・
放送法によって放送対象地域が定められているが、電波の性質上、都道府県ごとに電波を区切ることは事実上不可能である(これは
広域放送や
外国語放送についても同様である)。ただし、電波が届く範囲には一定の限界が存在する(超短波放送の場合、
スポラディックE層が発生した時は電波が広範囲に届く)。
・県域放送はもともと当時の地方新聞の利益のためにできたものだと指摘されている。
・放送対象地域が狭く、かつマスコミの集中排除原則によって資本構成が規制されているため、資本が過小であり経営基盤が脆弱である
[池田信夫『電波利権』 新潮社〈新潮新書〉、2006年、46-47頁。]。地域によっては資本が集まらないため開局できず、結果として
情報格差が発生している。
・放送対象地域が狭いため広告収入も限られ、
キー局からの「ネット料」と呼ばれる補助金で赤字を補填している局が多い
。
・
(必ずしも県域放送のみの問題点ではないが)そもそも各地域にて、受信できる民放数に違いがあることに大きな問題がある。民放の多い地域と少ない地域の間には
情報格差が起こっていて、例えば、
サッカーワールドカップ予選やプロ野球
日本シリーズなどのスポーツビッグイベントを放送系列の関係で見ることが出来ない地域があるという問題も生じており、この問題は地方紙でもしばしば取り上げられ、地方に住んでいる者がキー局のローカル枠を見たいという要望がかなり有り、放送対象地域以外の人にキー局又はその地域の放送局を視聴させないようにする事は、
地域格差、情報の受け手側による取捨選択、地域間の不公平が有り本来、国は民意に沿った対応が必要とされる。
・
(必ずしも県域放送のみの問題点ではないが)民放が5局揃っている地方でも在京局の番組がすべて放送されるわけではなく、(特に
深夜アニメ)にかなり差が有る)放送されたとしても
遅れネットの場合もありうる。しかし、地方局が必ずしも在京局の放送番組を放送しなければならないわけではなく(
ネットワークセールス枠の番組を除く)、また、必ずしも
ネットワークに加盟しなければならないわけでもなく(「
独立放送局」の項目を参照)、また、必ずしも
番組販売により放送番組を放送しなければならないわけではない。
・
(必ずしも県域放送のみの問題点ではないが)放送事業者によって主張や
報道の仕方や
ニュースの時間、その他にも
地震や
災害などの際の臨時ニュースへの対応等も異なるので、災害の際にも重要になってくる。ただし、情報を得る手段が放送のみであるというわけではないという点にも注意を要する。
・論調が県中心主義になりがちである。また、県が特定の
一般放送事業者を支配する例もみられる(「」も参照)。
・(必ずしも県域放送のみの問題点ではないが)昔に比べ自動車、電車、新幹線、飛行機等の交通網が発達し短い時間で遠くまで移動できるうえ、インターネットや携帯電話、音楽プレーヤーで動画や画像を世界中の人に送ったり持ち運べるなど、情報化社会が加速する中現行法そのものが時代の流れに合っていない点。
・(必ずしも県域放送のみの問題点ではないが)民放が少ない地域では少数の意見に左右される可能性があり、上記と同じくマスメディア集中排除原則本来の意思に反している点。
・
(県域放送のみの問題点ではないが)日本のような
民主主義の国において国民・地元住民の意見を重視せずに、本来特定の意思に左右されないはずの放送がこのような
新聞社やテレビ局等の都合に左右されていること自体重大な問題であるうえ、この現状が
マスメディア集中排除原則本来の意思からかけ離れている点。
・
(県域放送のみの問題点ではないが)県境周辺に住んでいる場合や出張等仕事の都合や用事等で他地域に行く、またはよく行く場合、その地域または自分の住んでいる地域の放送局を見たくても、現行の制度では自分のいる地域の放送局しか見られないことになる。
◆ 県域放送の一覧
◇ 日本放送協会
日本放送協会(NHK)の放送のうち、放送対象地域が全国(日本全国)である教育放送を除く放送の県域放送の実施状況は次表の通りである。