イギリスの
産業革命は
石炭によってもたらされたことはよく知られているが、石炭を採掘するのは20世紀の後半まで
危険な作業であった。かつてのイギリスでも
露天掘りではなく
坑道による石炭採掘であったため、
落盤や
酸素欠乏などの事故に常に悩まされていた。このため、石炭採掘に関わる鉱夫(こうふ)は酸素欠乏や有毒ガスに敏感に反応する鳥(カナリヤなど)を籠に入れて坑道内に連れて行き、カナリヤが
気絶または
死亡することによって危険を事前に察知し、その場を離れて被害を免れた。
20世紀の後半になると、装置や機械器具は大型かつ生活に密着したものとなり、
原子力発電所や
飛行機等の事故など、1つの
ヒューマンエラーで多くの人命が一度に失われるような大規模な
事故や、大災害となりうる事故(いわゆる「重大インシデント」)が発生するようになった。特にアメリカにおける航空機事故の調査から安全工学が発展した結果、
ヒューマンエラーなどの個人的な資質の問題点よりも、
安全教育や装置やシステム、操作方法などの見地からヒューマンエラーを回避するための調査・改善に重点が置かれるようになった(詳しい内容については
航空事故#事故調査を参照)。