不在者は、自身の財産の管理を十分に行えない場合が多く、また不在者自身が管理人を選任しておいた場合であっても、生死不明の場合など本人による管理人に対する十分な監督行為が期待できない場合が多いため、
民法において不在者財産管理制度が設けられ、利害関係人または検察官の請求により、
家庭裁判所の監督の下で
不在者財産管理人による不在者の財産の保護が図られる。検察官が請求権者となっているのは、不在者の財産管理は公益に大きく関わる問題であるからと解されている
[我妻栄著『新訂 民法総則』100頁、岩波書店、1965年]。民法ではから、
家事審判法においては第9条甲類3号に規定がある。なお、不在者に法律上当然にその財産を管理すべき者がいる場合には本制度の適用はない
[我妻栄著『新訂 民法総則』99頁、岩波書店、1965年]。
不在者の生死が7年間明らかでない場合等、一定の
法律要件を満たす場合には、不在者の親族など利害関係人は
失踪宣告制度を利用することにより、不在者が関係する法律関係を清算することができる。この場合の不在者のことを講学上は特に
失踪者と分類することがある。なお、不在者財産管理制度の請求権者には検察官が含まれているが(1項参照)、失踪宣告制度の請求権者には検察官は含まれていない(1項参照)。これは失踪者の親族が失踪者の帰還を待っているのに国家機関である検察官が失踪宣告を請求するのは不穏当であるからと解されている
[我妻栄著『新訂 民法総則』106頁、岩波書店、1965年]。