ウォークマン wikipedia|無料辞書
ウォークマン(
WALKMAN)は、
ソニーが
1979年7月1日に発売した携帯型
ステレオカセットプレーヤーの名称であり、現在ではソニー製ポータブルオーディオプレーヤーの総称となっている。この類の商品はヘッドホンステレオとも称される。
場所を選ばず、いつでもどこでも音楽を聴くことのできる製品の登場はエポックメイキングな出来事であり、世界的な大ヒット商品として、ヘッドホンステレオの代名詞となるなど社会現象になるほどであった。
◆ 概要
もともとはポータブル
モノラルテープレコーダーの「プレスマン」から録音機能を省き、ステレオ再生用ヘッドに置き換えステレオの再生に特化して誕生したものだった。初代モデル「TPS-L2」にはその余った内蔵マイクや録音回路を生かし、外部の音を拾い
ヘッドフォンでモニタできるというホットラインと呼ぶボタンがあった。初代モデルはヘッドホンを2台接続でき2人で同時に音楽を聴くことができたが、相手に話しかける際にボタンを押すことで双方がヘッドホンを外さなくても会話できることから、2人を直接繋ぐ意味でホットラインと名づけられた。
・ 日本では最初からウォークマンの商品名で発売されたが、文法に合わない
和製英語であるウォークマン(Walkman)を避けて、海外では当初他の商品名で発売された。アメリカではウォーク・アバウツ=歩き回る、ラン・アバウツ=走り回るからの造語で「サウンド・アバウツ Sound about」、イギリスでは
密航者を意味する「ストウアウェイ Stow away」、スウェーデンでは「フリースタイル Free Style」の商品名で発売された。しかし、来日した音楽家らによって日本からウォークマンが土産として“輸出”され、オピニオンリーダーである彼らの口コミにより日本国外でも「ウォークマン」の知名度が高まったことから、1年も経たずにウォークマンに統一された。
黒木靖夫によると、この判断には、当時の社長盛田の独断的な決定があった
[黒木靖夫『ウォークマンかく戦えり』筑摩書房〈ちくま文庫〉、第二章。]。
・ オーストリアでは、独占的に「ウォークマン」をソニー製オーディオプレーヤーとして商標利用することが認定されておらず過去に法廷でも争っている。現在でも「ウォークマン」の商標としての独占使用は出来ない。
・ 日本では、
登録商標である「ウォークマン」の名称があまりにも広がって一般名詞化したために、他社製のポータブルオーディオプレーヤーも「ウォークマン」と称されることがあった。近年では
iPodが普及し、かつての「ウォークマン」のような状況となっている。
2009年の時点では、フラッシュメモリ型ウォークマンが主力となっており、他社の製品と差別化を図るため、特に音質(
リニアPCMでの
非圧縮録音に対応)とデザイン面に力を入れてシェアを延ばしている。フラッシュメモリ型ウォークマンは2004年までは「
ネットワークウォークマン」と呼ばれていた。
・
MDウォークマン、
CDウォークマンも継続して販売されている。また、
DATウォークマン、
ビデオウォークマンも息長く販売されている。CDウォークマンは、当初は「
ディスクマン (
Discman) 」と呼ばれており、後に8cmCD専用機として「CDウォークマン」の商標が登場したが、
1997年10月以降「ディスクマン」と「CDウォークマン」とは統合された。海外では、
ラジオウォークマンも存在する。日本でも、ウォークマン初期にはラジオウォークマンが存在した。現在はラジオ内蔵ウォークマンという形で発売されている。
2001年になってDVDウォークマンが登場したが、それ以前にDVDディスクマンも存在した。
なお、カセットウォークマンは現在も継続して販売されているが、音楽を聴くためではなく語学学習に使われることが多くなったので、現在発売されている機種はそれを意図したものとなっている。また、フラッシュメモリ型と区別するために「テープウォークマン」と呼ばれることもある。一時期は子供向けのモデルも「
My First Sony」のラインナップの一つとして存在した。
初代ロゴは広告宣伝用と製品貼り付け用の2種類があり、前者は「A」の文字から足が生えていた。1980年代のテレビCMでは、「A」の文字から生えた足が歩き出すというグラフィックで「WALKMAN」ロゴを表示していた。1990年代に入ると広告宣伝用ロゴは使われなくなったが、製品貼り付け用のロゴは
1999年まで使用された。
現在の「
WALKMAN」ロゴは2代目である。
2000年より使用され、「
W.WALKMAN」と呼ばれている。
◇ ウォークマンが生んだ規格
ステレオミニプラグは、1979年発売のウォークマン初代モデル「TPS-L2」において新規開発された部品であった。当時ステレオのヘッドホンは
標準プラグによるのが普通で、ミニプラグにはモノラルのものしかなかった。そのためウォークマンの試作機ではモノラルのイヤホン端子を2組使ってステレオヘッドホンを接続していた
[黒木靖夫『ウォークマンかく戦えり』筑摩書房〈ちくま文庫〉、47頁。]が、市販化までにステレオのミニプラグとそれを受けるジャックが新規に開発された
[黒木靖夫『ウォークマンかく戦えり』筑摩書房〈ちくま文庫〉、98頁。]。このステレオミニプラグはソニー以外の製品にも広く採用され、デファクトスタンダードとなった。
本体の電源として単三乾電池より小型のガム型電池を開発。こちらも他社の製品にも広く採用され、デファクトスタンダードとなった。
一方、
1990年頃からのウォークマンでは、従来一体型であったリモコンとヘッドホンを差し替えできるようにした「アラカルトヘッドホン」を採用したが、リモコンとヘッドホンとの接続にステレオミニプラグよりさらに小さい「マイクロプラグ」という新規の規格を採用していた。本体とリモコンは「9極プラグ」と呼ばれる独自の端子で接続され、ステレオミニプラグ用の変換プラグが付属した
[http://www.asahi-net.or.jp/~an4t-tkns/taro/walkman/1987.htm]。後に本体に隣接して設けられたステレオミニジャックとリモコン端子を併用して接続する形式に変更され、変換プラグは必要なくなった。
1990年代後半にマイクロプラグ〜ステレオミニジャックの変換コードがアクセサリーで用意され、リモコンが使える状態で他社製のヘッドホンや外部機器にも接続できるようになった
[この頃にはステレオミニプラグ〜マイクロジャックの変換コードもアクセサリーで用意されていた。]。ディスクマン(現CDウォークマン)やMDウォークマンにおいても採用されてきたが、
1997年の秋口よりリモコン・ヘッドホン間の接続にも本体・リモコン間と同じステレオミニプラグを使う方針転換を行った。
2007年現在でもマイクロプラグ仕様の
ヘッドフォン、
イヤフォンおよび変換プラグは生産されている。ヘッドフォンに至ってはかつて
ノイズキャンセリング機能の付いた最新鋭のものも発売されていたことがある。これらは品番にMPが付けられている。しかし、ほぼ店頭で見かけることは無く、通信販売などの限られた方法でしか入手ができない。これに対して、ステレオミニプラグの製品はソニー以外からも豊富に発売されており、容易に入手が可能である。
2006年秋からはノイズキャンセリング機能を本体に内蔵したウォークマンの登場により、ステレオミニプラグにマイク用の接点を増やした5極プラグが登場した。5極プラグ採用のヘッドホンはノイズキャンセリング機能搭載モデルのウォークマン以外では使用できないが、ステレオミニプラグのヘッドホンは変換アダプターなしで使用できる。
以上の流れを整理すると下記のようになる。